アメリカでは住宅は戸建てで郊外へ?

昨日、アメリカで新型コロナウイルスが住宅の供給を圧迫しているとの記事がありました。

まずはその記事について、ご覧下さい。


米国政府からの最新の住宅データによると、新型コロナウイルスによって新しい住宅の建設が大幅に制約されていますが、パンデミックに悩まされている都市の住人は、新型コロナウイルスの影響が少ない郊外で新しい住宅を購入することにますます関心を示しています。

先日発行された最新のレポートでは、米国全体の新築建設における「建築許可」「住宅着工」「完成」について大幅な減少を示しています。

今年4月の1ヶ月間で新しい建築許可によって承認された私有住宅の数は、100万をわずかに下回り、3月の130万から21%減少しました。また昨年の同じ月と比較すると19.2%も減少しました。(一戸建て住宅と集合住宅の両方が含まれています)

また、4月の「戸建」住宅の建築許可に限ってみると、前月より24%以上減少し、着工数はさらに大幅に減少していました。

年間の住宅着工数でみると、一戸建ての戸数は25%減少して65万戸になりました。全米住宅建設業者協会(NAHB)によると、これは2015年の第1四半期以来、最低着手率です。アパートやマンションを含む集合住宅の住宅着工件数は、40%以上減少して23万4千戸になりました。

新型コロナウイルスによる米国の住宅市場への最初の影響は、ソーシャルディスタンスのガイドラインによるものからでした。ガイドラインにより、売り手候補者が家に留まるよう奨励され、オープンハウスの見学機会を減らし、経済が低迷し、買い手と売り手の数が減ったのです。

また、労働統計局によると、3月には建設業界でも61万8千人もの人が一時解雇されました。

しかし、建設と販売が落ち込んだ一方で、一戸建ての新しい家の需要が高まってきており、それを信じる理由もあります。

全米住宅建設業者協会(NAHB)からの最新の住宅市場指数(HMI)予測と、5月20日に発表された金融サービス会社のウェルズファーゴの発表によると、『低金利』、『複数の州でのステイホーム指示の解除』、『サンフランシスコのような高価で高密度な都市の居住者からの郊外地域への居住の問い合わせの増加』、などが挙げられます。

住宅市場指数(HMI)は、0〜100のスケールで市場における住宅購入意欲を測定します。3月は72、4月は30と大幅に低下した後、5月の暫定指数は37に上昇しました。

ただし、住宅ローンの申し込みは1週間前から2.6%減少している。

住宅ローン銀行協会(MBA)から5月21日発表された最新のデータによると、住宅購入への関心の高まりは心強いが、それがステイホーム指示の緩和によって引き起こされた一時的な上昇であるかもしれないと警告している。

「州が次第に再開し、住宅購入者と販売者の両方の活動が増加するにつれ、これらのポジティブな傾向が続くかどうか、または短期的な沸々とした需要を反映しているかどうかを注意深く見守っていきます」とMBAの住宅市場を監督するJoel Kan氏が声明の中で見通しを発表。

ビジネスニュースサイト「Quartz」より参照


とても興味深い記事です。


パンデミックの影響により、住宅建築が減るのは必然と考えられます。

しかし、需要は伸びてきている。

ただし、集合住宅では無く、「戸建て住宅」。

しかも便利は都会では無く、密集が少ない「郊外」へ。


住宅環境も、これからの新しい生活様式“ニューノーマル”へと移行していくのでしょうか....。


MCIC Japan 建設コラム

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